上新石材店
AICHI, OKAZAKI
石職人:上野梓
石で人を感動させたい
石屋というのは、お墓や灯籠など「人の心」に関わることだと思っています。石は人の想いを表し、心を動かす魅力があります。
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経歴
PROFILE
- 1981年
- 上野家の三女として生まれる。
- 2000年
- 高校卒業後、上新石材店入社。修行の日々が始まる。
岡崎技術工学院に入学。 - 2003年
- 石材技能五輪で3位入賞。銅メダル獲得。
動物などの小物製品製作開始。
おかざき匠の会入会。 - 2005年
- 愛知万博参加。作品出展。
- 2010年
- 厚生労働大臣指定 石材加工1級石工技能士資格を取得。
- 2013年
- 組合青年部第38代会長に就任。
- 2015年
- 経済産業大臣指定 岡崎石工品 伝統工芸士資格を取得。
- 2020年
- YouTube 石★AZチャンネル開設
三女の末っ子
おんなかぁ〜。梓の誕生を電話で聞いた父の一言。父は三人目こそは男の子で跡継ぎが欲しかった。後に聞いたその言葉が梓の頭のどこかにず〜とチラついた。
がっかりしたが女だったものは仕方が無い。仕事を離れると目一杯遊んでくれる楽しい父と明るい母。躾は厳しかったが団らんはいつもにぎやか。両親は三姉妹に分け隔てなく愛情を注いでくれ、いつも笑顔に満ちていた。
自宅兼工場。作る父と支える母。二人三脚で頑張る姿を見て育った。
18歳女子、石屋に
姉ふたりが就職をし、「さて自分は」を考えた高校2年の進路相談。父は三姉妹の誰にも「石屋を継げ」とは言わなかった。でも誰かに継いで欲しい気持ちはあったと思う。
両親に相談せずに進路相談の場で「家業を継ぎます」と言った。隣に居た母は驚いた。家に帰ってから聞いた父も驚いた。その夜、父に呼ばれ覚悟を問われた。覚悟というよりただただ真っ新なまま石屋の世界に飛び込んだ。
あったかい作品をつくる石職人を目指し
卒業後、すぐ岡崎技術工学院石材加工科へ入学。昼は修行、夜は工学院。覚える事が山のようにあり、肉体的にも精神的にも疲労困憊の日々。しかし楽しかった。両親のためにと選んだ石屋の道。家業を継ぐというより「両親が懸命に築いてきたものがなくなってしまう」ことがイヤだった。跡継ぎとして男に生まれてこられなかった使命を果たしたかった。
でも今は、石が好きで、つくることが好きで、お客様に喜んでもらえる何にも代え難いやり甲斐に満ちている。
お客様に満足して頂ける仕事が出来る技術と感性を磨き続ける事が自分の目指す石職人の姿。同時に石の新たな可能性も探る日々を送る。